蟹工船・党生活者 (新潮文庫)
「蟹工船」は、学生時代に読みました。
ちょうどバブル時代でしたので、読んでもピンとこなくて。
「所詮、昔の話だな…」と、あまり印象にも残りませんでした。
ただ、過酷な労働の代名詞として、「蟹工船」という言葉は使っていました。
が、今、改めて読んでみると、あまりに「現代」とリアルにリンクしていて、これが昭和初期のものとはとても思えませんでした。
数十年の月日とともに蘇った「蟹工船」。
名作の力強さを思うとともに、時代は繰り返すという意味を強く感じました。
蟹工船 (まんがで読破)
私はまだ原作を読んだことがありませんが、メディアで今『蟹工船』が注目されていると耳にしたので、手始めに漫画版を買ってみました。
現代の日本における労働問題として、長時間労働、精神疾患、上がらない給料などがあげられますが、特にいくら働いても給料はあまり増えず資本家(株主)への配当が重視されている点はこの本の舞台となっている昭和初期とあまり変わらないような気がしました。
今後は原作となっている小説も読んでみたいと思います。
蟹工船WORK SONG BOOK~日本の労働歌集
このCDの曲をよく歌った。党派・関係なしに歌われたものもあるし、その党派だけの歌もある。しかし蟹工船とともによみがえってきたのがうれしい。また新しいフォークとして、歌い続けられると、もっとうれしい。「若者たち」は教育実習のときに、子どもたちとよく歌った。終えるとき、子どもが「この歌を聞くたびに先生を思い出すでしょう」と言ってくれたあの子は、今幸せなのだろうか。元気であればいい。どこかでひょっこり会って「先生!」と声をかけてくれるか。
Jブンガク―英語で出会い、日本語を味わう名作50
テレビで見て、面白いと思っていたけど、Jブンガクってすごい番組だったんだね。
文体とか、書かれた時代とかで作品を分けたりせず、
予想外のテーマで名作をセレクトしていて、
キャンベル先生のセンスと知識に脱帽!
日本文学を俯瞰的に見ている気がする。
この本で読むと「雨月物語」だって読めてしまうし、
最近、開高健の「オーパ」が見直されてるのも、Jブンガクの影響では?
個人的には井上ひさしの「汚点」を読んでみたい。