GM ~踊れドクター DVD-BOX
手触りとしては「33分探偵」ですが、放映の時間帯ゆえ若干作り込んでいます。そのぶん作品全体からしなやかさや風通しの良さが損なわれており、そのせいでもないでしょうが、東山紀之さんの動きに往年の切れがないように見えました。気のせいでしょうか。ただ、多部美華子さんをはじめ競演の方々との丁々発止のやりとりは毎回見もので、一話完結、各回楽しめます。それからこれは蛇足かもしれませんが、思うにテレビドラマは昨今、展開をよりスピーディに見せる傾向があるため、人物の内面を描くのに適しておらず、そういう意味では(すこし誤解を招きかねない表現ですが)努めて内面を描かない、こういう作品は個人的に大好きな作品です。
カワサキ・キッド
私は必殺仕事人2009がきっかけで好きになり、連載物を読んでいたら、精神面で沢山学ばせてもらい、ますます好きになりました。
だから、いつか本になって欲しいと願っていたので、単行本になると知った時は本当に嬉しかったです。
壁に当たった時は、この本を読み返してみます。
ブラザー・ベア [DVD]
言わずと知れたディズニー映画です。人間の兄弟と熊の兄弟、ついでにヘラジカの兄弟(笑)の兄弟愛の物語です。そしてその愛は人間と熊、という種を超えた愛を描ききっています。音楽もきれいでとても楽しめる作品でしたし、我が子供達もそれなりに理解をして観賞したと思います。
そしてこの作品、アメリカディズニー映画というところがミソ、と思いました。アメリカとイラクの戦い、まさにこの人間と熊の様ではありませんか!人間は熊が憎い・怖い、実は熊も人間が怖い。でも言葉が通じないし、行動パターンも武器も違う。だから相手の考えている事が理解できない.....。
人間同士、国同士、宗教戦争 を愛で片づけられる程単純ではない事は充分解っていますが、何とかならないのでしょうか(/_;).....そんな事も考えさせてくれた作品でした。
山桜 [DVD]
田中麗奈は、時代劇は今回が初挑戦とか。着物姿も楚々としてとてもキュートなのだけれど、どこか筋が通っている心の強い凛とした女性像を見事に体現していました。(萌)
そして、東山紀之がやたらと格好良かった。殺陣もビッシと決め、子供には優しく微笑みかけるという美味しい役どころ。でも確かに、手塚弥一郎というキャラクターが、ストイックなイメージのある東山紀之に合っていました。
実家のお母さん役を壇ふみが演じています。体裁のためにガミガミ言わず、娘の気持ちを察してそっとひとこと大事なことを言うのですが、それもお母さん自身が凛としているからこそ生きてくるんですね。
あと、村井国夫の悪役がビックリするほどハマっていたし、ちょっとしか登場場面はありませんが、富司純子の存在感が凄かった。
そして、もうひとつの主人公は風景ですね。雄大な山の風景や田んぼのあぜ道。一面の雪景色。春に雪解の水が流れるせせらぎには、小さな草花の芽。そよそよとした風さえ感じられる。そして、本作のダイトルでもある『山桜』。
ラストは、大きな苦難の予感があるものの、これはこれでハッピーエンドなんでしょう。