最新公用文用字用語例集 改定常用漢字対応
8月に発売になったのでやむを得ませんが,11月30日に出た新しい「公用文における漢字使用等について」等は収録されていません。
しかし,『最新公用文用字用語例集』を名乗るからには,これではいけません。
速やかに改訂版が出ることを期待します。
明鏡国語辞典 第二版
初版から8年を経ての第二版。新語のうち定着したと思われるものを採用した。別冊の付録として「問題なことば索引」を付けた。等々の特徴のある改訂版。
重要なのは単語の意味の解説や使い方だと思うので単語をいくつか引いてみた。
□シミュレーション:語義の説明があって最後に「シュミレーション」は誤りと丁寧な注がついている。*岩波国語辞典第7版にはこの誤り表示はなかった。
□才色兼備:才色についての説明しかない。岩波のほうでは「−兼備」という例が示されている。
□租税:国費、公費をまかなうために、国・地方公共団体が一定の法律手続きによって国民・住民・消費者などから徴収する金銭。(以下省略)*岩波のほうでは「国家や府県・市町村などが、その経費にあてるために、強制的に人民から徴収する収入」とある。[強制的]がはいるかどうかの違いが大きい。
□輩出:すぐれた人物が次々と世に出ること。とあり最後の部分に、特定の一人が世に出ることに使うのは誤りと明確に指摘している。*岩波のほうでは、こうした注書はない。
□アラサー、アラフォー:これは載っていない。岩波にも出ていない。まだ定着したものと認められていないからか。
□さて[接続詞]:9行の文字数で説明。岩波では3行ですませている。
こうしてみてみると「明鏡」は語法などで詳しい説明があることが多いので文章を書くときなど語感も含めて調べたいときにぴったりの辞書といえそうだ。また、版面の文字が太めで鮮明な印刷とともに使いやすい印象を与えることにもなっている。