フィンガーボウルの話のつづき
ビートルズの「ホワイト・アルバム」は、たしかに名盤である。
誰もが、なにかしらの思い出や思い入れを持っているのではないかと思う。
私も、ビートルズと書いてあったので、この本を手に取った。
「ホワイト・アルバム」にまつわる小さな物語をつないでいった話。
物語は入れ子状になっていて、どれが物語でどれが現実(といっても物語の中の)なのか分からない。
ただ、物語の中で「ホワイト・アルバム」の名前は出てくるけど、そんなに話の中のキーになるわけではない。
小さな物語をつみあげて、ひとつの大きな物語にしようとしているのはわかるのだけど。
せっかくおもしろい設定があまり生かされていないような気がして、そこは残念なところ。惜しい。
それでも、著者の作品らしい、のんびりとしたロマンは健在。
つむじ風食堂にしてもそうだが、この人レストランとか好きなのだなあと思う。