パッチギ! (特別価格版) [DVD]
なぜだか在日の方と仲良くなる事が多いので
理解を深めるためにこうした一方的でない映画の存在はありがたいですね。
内容は日本人と在日朝鮮人のロミオとジュリエットです。
描写は時に過激で暴力的ですが愉快でエンターテイメントな楽しい映画となっています。
在日朝鮮人の少女役の沢尻エリカも清純な美しさで映画の説得力に一役買ってます。
キーポイントとなる「イムジン河」の歌は南北に分かれた朝鮮についての歌ではあるのですが
この映画では日本と在日の間の河の比喩となっています。
それがキレイにはまるクライマックスは感動的です。
ただ・・・在日をここまで暴力的に描いてしまっては
益々河は広く深くなってしまうかも・・・
あんな粗暴な人達と付き合いたいと思いますか?
いっしょに仕事したいと思いますか?
心やさしく穏やかな在日男性さんも現実にはいるんですよ。
そんなわけでエンタメとしては4星
テーマを伝えられたかで1星です。
春の雪 [DVD]
原作をさんざん読んだ上で観ました。
宣伝をみたときは全く期待していなかったのですが、映像の美しさも、俳優の演技も、思ったよりずっとよかったと思います。
ただ細かい部分はやはり原作と違って、犬の屍骸を発見する場面など、聡子の性格を示す上で非常に重要な部分が変えられており、三島氏の描く「女性像」という物がきちんと表現されていなかったように思います。また「この世では(もう清顕には)会わない」と尋常ならぬ決心で剃髪したはずの聡子が、最後すすり泣いてしまう場面など、かなり残念な部分もありました。
しかしまあよくあの作品を「映画」という形でここまでまとめたものだと思いますので、概ね評価できるのではないでしょうか。
原作を読んでおられない方に是非お伝えしたいのですが、この作品は2巻、3巻と読み進めていくと、副主人公であった本多の存在が大きくなってゆきます。本多はこの後歳を取り、精神的にも肉体的にもどんどん醜くなります。この作品において一番重要なのは、その本多の醜さと、それぞれの話の中で輝いて生きる主人公との対比によって、美しさとは如何なるものかということを明らかにしているところにあります。そのような観点から見ると、最後若い純粋な友情から、本多が清顕と聡子の面会を嘆願する場面は非常に感動的に思えます。
難解な言葉が多く、量も多いので、読破するには非常に骨が折れますが、素晴らしい作品ですので、この映画をご覧になり興味をもたれたら、是非原作も読まれることをおすすめします。
バトル・ロワイアル [DVD]
あのブ厚い原作を2時間に収めようってのがどだい無理な話ですよと言ってしまえばそれまでですが。
私は事前に小説を読んでいたので問題なかったのですが、
予備知識のない方が映画をいきなり見ると少々つらいかと思います。
メインキャラ以外の話がおざなりになってる感は否めないので。
放映当時、私はまだ中学生で、当然ながらこの映画を見に行くことはなく、世間や親が騒いでいたのを見て
「物騒な映画があるんだなぁ」くらいにしか感じていませんでした。
しかし今になってこの作品に触れる機会を持ち、実際に触れ、抱いた感想はといえば、
「そんなに騒ぐほどのものでもない」でした。
R15の必要性もいまいちよくわかりません。
その辺の洋画の方がよっぽど銃火器ぶっぱなしてますよ。
この作品に当時いい顔をしなかった人々は、この作品の『残酷描写』に目が行きすぎているのではないかと。
で、実際、心臓に自信のない方は見られないかと言うと、そんなこともありません。
基本的に銃撃戦がメインで、目を背けたくなるような残酷描写は意外に少ない。
TVでやってる『~~洋画劇場』が見れるなら充分です。
唯一きつかったのは、江藤恵の『レモンとサーモンのマリネ』のシーンくらいでしょうか。
で、肝心の内容ですが、先程述べたとおり、展開が早い。
あと気になったのは、三村チームの話ですかね。
原作と映画で全く違ってましたが(まぁ、全滅するってのは同じなんですけど)、あれは変える必要があったのでしょうか。
あれじゃ三村が間抜けすぎやしませんか?
結論としては、見るなら原作に目を通すのは必須。
でも、原作至上主義の方にはお勧めできませんね……
原作を読んで、『ほどよく』楽しめた方なら、こちらもそこそこに楽しめるんじゃないでしょうか。