オイラの村ですケド。 [DVD]
これはすごいですね。曲が全てノーカットなだけでもうれしいのに、MCがほとんど全部入っていたのには驚きました。本番のライブほとんどそのままで、あの日の興奮がよみがえりました。
遊助さんはここまで大規模なライブをするのが初めてで、かなり大変そうだったのがメイキングを見るとよく分かるのですが、本番ではそんなことを全く感じさせずに、歌もダンスも、合間の演出でも見事なパフォーマンスを見せていました。
エンディングでほんの一瞬泣きそうな顔をしたのと、一番最後の挨拶でマイクを使わず肉声で「ありがとうございました」と言ったのには、かなりぐっときました。
何より、演者、スタッフ、観客の垣根なく、そこにいる全員でこのステージを作っているのだという遊助さんの意識が、ライブを魅力的なものにしているのだと改めて思いました。
あの・・夢もてますケド。(初回生産限定盤)(DVD付)
僕にとっては忘れらない一枚です
とんでもないブラック会社に入ってしまって
契約が取れなくて泣いていた毎日…
約束に遅れて破談になった痛い失敗
しょうがない僕を慰めてくれた一曲一曲を聴い
ていると涙があふれてきます
よーいドン!僕の営業マン人生はこれからだ!
それから (新潮文庫)
この本を初めて読んだのは中学生の頃でした。その頃は、ここに書かれていることの半分も理解できなかったに違いないのですが、強烈に印象に残った作品でした。
美千代が百合の花を持って代助を訪ねてくるシーン。ここが一番記憶に残っていました。なぜ美千代がわざわざ百合の花を選んで持ってきたのか、そのときはわからなかったのですが、大人になった今では痛いほどわかります。そうすることでしか代助への愛情を表現できなかった彼女は、幸せなのか、不幸なのか。
「不倫」という一言で片付けてしまうにはあまりに切ない二人の関係。なんせこの時代は、女性の姦通罪が適用される時代です。今でこそ女性の浮気なんて珍しくもありませんが、かといっておおっぴらにする人はまれでしょう。倫理観から何からまるで今とは違う時代に、夫以外の男性に心を惹かれ、心を通わせてしまったと認めるということは、現代の女性には想像もつかない重いことだったに違いありません。
代助にしても、親の勧める縁談を断って、こともあろうに友達の妻が好きだなんて言うことはどういうことかわかりきっていてもそうせざるを得なかった、というところに、不器用というかなんというか、根無し草のような生き方をしてきた彼が、やっと人間らしくなった、という感じがします。
不倫を美化する気はありませんが、初めからこの二人が一緒になればよかったんですよね。だけど、人生そう思い通りいかないものなのです。
代助の自問自答は突き詰めると、人はなぜ生まれてきたのか、何のために生きているのか、なんていう答えの出ない問いに行き着くのですが、美千代との関係を通して、「自分は何のために生まれてきたのか」なんてことを考えさせられてしまう、哲学書のような小説です。
やはり長い間読み続けられている作品というのはそれなりのわけがある。それが実感できる小説です。