11人いる! [DVD]
幻のこの映像がDVD化されてたのを知らなかった。
NHKの少年ドラマシリーズの一環として全1回40分のドラマとして放映されたもの。
少年ドラマシリーズが放映された当時放送用ビデオテープが高価だったため、多くのテープは使い回されマスターテープが局に残っておらず、根強い人気があるものの再び観ることが困難なシリーズとなっていた。
家庭用ビデオテープにて個人が記録していたものが収集され復刻されたらしい。
少年ドラマシリーズは、その殆どが舞台を現代日本あるいは過去の日本を舞台としており登場人物も当然日本人が中心だったのだが、この「11人いる!」ははるか未来の宇宙を舞台にしたSF漫画が原作。
当然登場人物も多種多様。肌・髪色ともに日本人離れしたキャラクターを日本人に無理矢理演じさせたため、チャチなコスプレ、チャチな舞台装置にファンはがっかりさせられた。
しかし、当時のファンをもっとも失望させ、原作者自身にも不評だった脚本の大幅な改定。
作品の肝である、謎解きの部分が独自解釈により全く違ったものに変更されていたのだ。
(のちに同作品がアニメ化された時、作者がラストの改定をしないことを条件に出したというほど)
だがまぁその点を覚悟して視聴すれば、それほど悪い作品ではない。総体的にはまずまず面白いといえる。
とりあえず話のタネにでも観てみても絶対に損は無い。
永遠の少女マンガぬりえ ポーの一族
セイカの商品なので書店では注文できませんでした。
なのでアマゾンで“ポーの一族と萩尾望都作品集”の二つを購入しました。
ぬりえでおなじみのセイカということでかなり期待していたのですが、
うーん、届いてみて箱を開封してちょっとビックリ…
ぬりえの紙の薄さに驚きました。
ぬりえが入っていた封筒も薄いです。
(ポーの文庫版の一巻の絵が印刷されていますが、なんとも安っぽい)
封筒がペラペラなので出し入れが大変です。
べつに封筒に入っていなくてもいい気がします…
ぬりえを封筒から出してみると、シワのある紙が数枚入ってました。
一枚しかない気に入っていたぬりえもあったただけに、正直ガックリ。
薄すぎますよね…これ。
原画の絵の方は厚紙でしっかりしていました。
絵の選考も見慣れた絵ばかりで「もう少しあるだろう、いろいろと良いのが!」といった感じですが、それでも萩尾望都氏の絵はどれも素晴らしいです。
子供の頃、大好きだったポーの絵を、今になって塗ることができるなんて、…感動です。
いい歳の大人でも塗っていてすごく楽しかったので、全体的な評価は☆4つにしました。
塗ってみての感想は…
線が灰色の薄い線で、仕上がりがいかにもぬりえという感じじゃなく自然で良かったのですが、さすがにあの薄さじゃ水彩絵の具では塗る気はしないかな…?
額に入れて飾れるぐらいきれいに仕上がり、我ながらタッチも風合いも原画そっくり!
もったいながらずに塗ってみるのもいいのでは…?
余談ですが、竹宮恵子の「風と木の詩」あたりも是非ラインナップに入れて欲しいですね。
購入層も大人ですので、価格も少々高めですから、
「もう少しクオリティーの高い、価格以上に満足できる商品を!」
セイカさんよろしくお願いします。
イグアナの娘 The Daugther of IGUANA DVD-BOX
当時の彼女が面白いし菅野もすごく可愛いよ、と薦めてくれた時
ストーリーを話してくれましたが、正直バカにして本気で聞けませんでした。
基本のストーリーは自分(菅野)と彼女の母親(川島直美)だけが自分(菅野)がイグアナに見える。
というのは実は彼女の母親が実はイグアナで、人間に恋をした母親が
魔法によって人間にしてもらった。そして恋した相手である父親(草刈正雄)と結婚した。
生まれた女の子(菅野)は母親にだけイグアナに見え、母は長女に
辛くあたる。彼女も自分がイグアナに見えるから自信もなく
オドオドと生きている。。。。
長々書いてしまいましたが、こんなアホな話が面白いと思いますか??
しかし、再放送で私は作品にも菅野にもハマッてしまったのです。。。。
感動もしますし、時には涙すら浮かべてしまうのですから、
我ながら笑ってしまうほどでした。
しかし、本当に日本中が涙したということですから
やはりこの作品はかなりの「力」があります。
騙されたと思って第一話と二話だけでいいから見てください。
後はきっと貴女もハマッてしまうはずです。。。。
A Drunken Dream and Other Stories
英訳されるということでほんの好奇心で購入しましたが、想像以上に豪華な装丁としっかりした紙質にびっくり。
収録作品は、ほとんど持っているものだったのですが、漫画雑誌サイズでハードカバー・・・。
しっかり萩尾さんの作品を紹介しようとする訳者と出版社の熱意を感じました。
為替レートに関係なく(?)三千円以上で売られていたりするところもあるなか、この価格でこの内容は本当におススメです。
ピエタ
ピエタと言ってもイエスの遺骸を抱くマリアの像の話ではない.このピエタはヴェネツィア共和国にあった公式の女の赤ちゃんの捨子養育院兼音楽院で,固有の礼拝堂を持ち,ヴィヴァルディはそこの司祭であり,音楽教師であった.物語はかつての捨子 (これをピエタの娘と呼んだ) エミーリア (今では住込みの書記) を語り手とし,ヴァイオリンの名手になった双子のように親しい友アンナ マリーア (実在の人物) を音楽のリーダーとして,ヴィヴァルディがウィーンで63歳で客死 (1741) した報せがピエタに届いた所から始まる.文体はエミーリアの置かれた状況を的確に反映して変化し,平板な時代小説にはならない.そうして心理描写は適切の余り,読み手の心の用意のためいささか読みの中断を迫られるほどである.この特性のため,読み手は自然と18世紀ヴェネツィアに入り込んだ気持になる.もっと言えばこれが実はイタリア語で書かれた回想記のよく出来た翻訳であるような不思議な気分になる.これは綿密な研究による過去の復元作業の成果にほかならず,この達成は中島京子さんの '小さいお家 ' の達成をも上回る物凄い水準にある,と思われる.メインプロットの昔の楽譜探しは,音楽の恵みを味わわせつつ多数の人物たちに 思いもかけない救いをもたらしてめでたく終る.後味の極めてよい,極上のミステリと言えよう.強く推薦.