Red Hot + Blue: A Tribute to Cole Porter [DVD] [Import]
最近AIDSの話題をあまり耳にしなくなったのは何故だろう?AIDSについて正しい知識を持つことに、もしかしたらこの映像作品も少なからず貢献し、その役目を終えたのだろうか?
本作は'90年に発表されたAIDSチャリティー・プロジェクトにおける、コール・ポーターのトリビュート・アルバムのプロモーション・ビデオ集です。コール・ポーター(1891-1964)は映画「五線譜のラブレター」('04)でも描かれたとおり、誰もが耳にしたことのある「ナイト・アンド・デイ」や「ビギン・ザ・ビギン」といったアメリカのミュージカル楽曲の傑作を数多く残し、ホモセクシャルのためエイズで亡くなったと言われています。
この作品自体はMTV全盛期のものであり、参加アーティストが豪華で、著名映画監督とタッグを組んだ作品はとにかく見る価値があると思います。トム・ウェイツ×ジム・ジャームッシュや、U2×ヴィム・ヴェンダースなど書ききれません。ただし、画像はリマスターされたとはいえ、ビデオ時代からあまり綺麗になった印象はありません。
曲間にはデヴィッド・バーンなど演奏アーティストの他、リチャード・ギアやジャン・ポール・ゴルチエといった有名人のAIDSに対するコメントも挿入されています。しかしここは輸入版の泣き所、やはり日本語訳付で観たいものです。
楽曲自体は、オリジナルの雰囲気を醸し出したノスタルジックでゴージャスなアレンジのものから、当時台頭していたワールド・ミュージックやラップにのせたものまであって多彩です。特典として追加されたライヴ映像は、ユーリズミックスのアニー・レノックスがハービー・ハンコック(p)とロン・カーター(b)というジャズの巨人をバックに熱唱したもので、これが一番良かったりして。。。
セットになったCDは、曲順が異なるばかりか映像編に未収録の楽曲を含み、お得感があります。
チェンジリング 【ブルーレイ&DVDセット 2500円】 [Blu-ray]
いかなるジャンルの作品でも、演技のどこかに母性を感じさせるアンジェリーナ。この“母性”なくしては成り立たないこの作品を観て、これほど慈悲深い母親役を自然にこなすハリウッド女優は他にいないと、改めて思いました。前半はLA警察のあまりの非道さに翻弄される主人公が可哀そうで、正直に言えば観るのをやめたくなりましたが、ストーリーが思わぬ方向に進みだす中盤以降、画面にくぎ付けでした。女性への差別だけでなく、市民の権利などお構いなしの身勝手で腐敗した政治や警察、大恐慌というかつてない不安な時代背景の中、ひたすら子供の無事を信じて人生を歩み続ける姿には、本当に心をうたれます。
絶望的な残酷さと、消えることのない希望とを、見事なバランスで描ききった作品です。
RED/レッド ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]
副大統領の陰謀で殺されそうなった元CIAエージェントが、陰謀を打ち砕くというストーリー。こういうおバカなアクション映画はそうでなくっちゃ。(笑)
ピストルを撃ち常に銃やマシンガンをぶっ放し、終いには重機関銃やロケットランチャーまで飛出すドンパチで、アクションに対する謎解きなどはどうでも良い感じ。(笑)
アクションといえばはブルース・ウィリス。あまりアクション映画に慣れていないメンバーばかりであるだけに、不足しがちなアクションの見せ場を、彼の活躍がうまく補っている。
笑いはジョン・マルコヴィッチ。そのイカれたキャラ設定ときたら最高!!彼特有のオーラで観客を惑わす上手さ。周りをモーガン・フリーマン、ヘレン・ミレン、ブライアン・コックスで固めてしまうという豪華俳優陣。
ヘレン・ミレンなんかは、ぶっ飛んだアクションを披露してくれます。特に銃でぶっぱなすシーンは圧巻。エリザベス女王役で見せた気品と高潔さを纏いつつ、コミカルなぶっ飛んだ役をこなしてしまう。彼女、こんなに銃を撃ちまくる映画に出たのは初めてなんじゃないかな。(笑)
また、現役CIA捜査官をカール・アーバンがスマートに演じています。「スタートレック」でドクター・マッコイを演じたのとは、うって変わったスマートさでした。ブルース・ウィリスとカール・アーバンのガチバトルも良かった。
各キャラクターの人物設定に登場のタイミング、意味深なやり取りがあとあと結びつくあたりなど、ニヤリとさせられる描写が多い。中盤で、ロシアの諜報員に手助けを求めるあたりや、それが終盤でまた別のところと結びつく面白さこそ、本作の醍醐味のひとつとなっています。
宣伝文句、“若造は引っ込んでな”は実に言い得て妙ですね。「ジジイ、頑張れ」と言いたくなります。(笑)