アラブが見たアラビアのロレンス (中公文庫)
今まで全て信じられていた『知恵の七柱』など、ロレンスの自伝に書かれていたことと実際の行動の矛盾や真相、ロレンスの行動に対するイギリス側見解とアラブ側見解の違いを、決して批判などではなく、史実としてとらえた作品。アラビア語での出版、英訳版からさらに新資料を加えて日本語版が出版された。ロレンスはいったいどんな人物だったのか。アラブにとっての“アラブの反乱”とは。そしてアラブにとって、ロレンスは「アラビアのロレンス」であったのだろうか。今まで知らなかった側面を、この本が教えてくれます。
アラビアのロレンス [完全版]デラックス・コレクターズ・エデション (2枚組) [DVD]
初めはこのロレンスという人物がどういう人であったのかも知らずに見ていた。映像と音楽が素晴らしいのでそれだけで見ていた。もともとデビッド・リーンの映画は映像が美しくかつ自然のままで凝っている(時間をかけて気に入るまで待っているので有名)ので実に美しいシーンの連続です。砂漠とピーター・オトゥールの目の色が素晴らしい。実に素晴らしい。僕は何回も飽きもせず砂漠とピーター・オトゥールの目の色を見て楽しんできた。こんな映画は他にないです。ストーリーとしては日本でいう中間管理職の悲哀ということなんでしょうが、どうせ悲哀で討ち死にするのならこういうのがいいといつも思っている。
「バロン・サツマ」と呼ばれた男―薩摩治郎八とその時代
こんな日本人がいたのかと驚きました。一東洋人が、大正時代のパリでこんな華々しいことをと感嘆する一方、きっとパリの芸術家たちもそうであったように、バロン・サツマの人間としての魅力に惹かれました。人間を、芸術を、フランスを、日本を、人生を愛した治郎八。治郎八が私財でパリに日本館を設立することで、多くの留学生たちが様々な分野の人と交流し見聞を広め、その後の日本での活躍につながったことは、近代の日本文化の礎を築いたともいえますね。一代で財をなす祖父の時代から、華やかなパリの時代、無一文になった晩年へ・・自伝を裏付ける記録としても、人名と数字に、真実に迫る著者の情熱が込められているようです。それにしても著名となる人々が皆パリを目指した時代の熱気と…人間同志の交流に化学反応のような不思議さが…
アラビアのロレンス (1枚組) [DVD]
アラビアのロレンスとは一体何者か。一言で言えば、第一次大戦での欧州戦線の後方かく乱のため、アラブに送り込まれた英国の特殊工作員なのである。
彼は秘密軍事顧問としてアラブをひとつにまとめる工作を施し、トルコへの戦闘、攻撃を指揮し、ほぼ独力で砂漠の英独代理戦争に勝利を呼び込んだ功労者なのである。
彼の余生は謎に包まれている。
陸軍では、この砂漠の反乱の功績によって高級将校の地位にのぼったはずなのに、戦後は名を変え、空軍の最下級兵に身をやつしているのだ。
その死についても、暗殺説は今も根強くのこっている。まるでダイアナ元妃の交通事故のように。
ただ、映画の出来はパーフェクトだといいたい。
工作員とはいえ、人間である以上、アラブに独立を与えるという美しい理想(それが夢想だと知っていても)を胸に秘めて行動の情熱とした、という仮説には納得したい。
リーダーには、そういう損得を超越した部分がなければ、アカの他人はついてくるものではない。
アラブの民にしても、英国を利用するという計算だけではなく、ロレンスの持つ夢想に魅せられたとしても不思議ではないのだ。
「嘘だとわかっていても、あえて騙されてやりたくなる美しい虚構」は確かにある。
たとえば大東亜共栄圏に夢を託したアジアの独立運動家が多数いたこともそうだし、敗戦後も帰国せずアジアの独立戦争に身を投じた旧日本軍人らがいたという事実もその類だろう。
白人の支配から脱する「アジア人のアジア」という悲願は、代わりに日本がやってくるのを承知でも、抗いがたい魅力があったはずなのだ。
私はモノクロでは黒澤明の「七人の侍」を、そしてカラーでは本作を映画表現の金字塔としてとらえている。
大人の映画音楽 100
このアルバムのタイトルの「大人」が何歳を指すのかわからないのですが、年代・ジャンルにとわず映画を好きな方にお奨めのCD。
私は「魅惑のワルツ」が聴きたくて購入したのですが、他にも有名どころの音楽が入っています。また、見たことの無い映画の音楽もそれ自体で聴く価値のあるものばかりなので買って損は無いと思います。音源もかなり綺麗です。このCDで知った映画も結構あるので、映画のほうを見てみようかなという気持ちも起こりました。
しかもこの値段で100曲入っているのはお徳だと思います。
ただ、個人的に「フラッシュゴードン」にはQUEENバージョンを入れてほしかったです。
私はQUEENファンですので。その点だけ差し引いて★4つ。