花はどこへいった 枯葉剤を浴びたグレッグの生と死
「ベトちゃんとドクちゃん」として広く知られたご兄弟のお一人、グエン・ドクさんがテュエンさんと結婚されたこと。その翌年にベトさんが植物状態のまま、とうとう帰らぬ人になってしまわれたこと。結合性双生児として生まれたお二人のことはしばしば大きなニュースになりました。また、それを通して猛毒のダイオキシンを含む枯葉剤がもたらした甚大で広範囲な環境破壊と、深刻な健康障害のことも知られています。
しかし、そのあまりにも大きすぎる影響のためでしょうか、本書を読むまで、全体像が私にはよく分かりませんでした。少なくとも私は、その被害から目をそらし、見ないふり、知らないふりをしてきました。
著者の亡き夫であり、報道写真家として世界的に活躍されたグレッグ・デイビスさんの次の言葉に心から納得しました。
「戦争のアクションは誰にだって撮れる。ほんとうに難しいのは、戦争に至るまでと戦争が終わってからの、人々の生活を撮ることだ。」
ベトナム戦争が終わって40年近くが経っても、今なお拡大し続ける健康被害の実態と、困難な人々の生活。それらを著者はていねいに記録し、映像と文章の二つの作品として私たちに届けることで、亡くなられたグレッグさんの遺志を生かし続けておられます。その真摯な姿勢と、突き動かされるような熱意に強く胸を打たれました。
本書が出版される前の年に、沖縄の北部訓練地域(ヤンバルの森)でも過去に枯葉剤の散布があったこと。作業を実施した米兵の健康被害を退役軍人省が認定していたことが米国の公文書から明らかになりました。しかし、散布した場所や量など詳しいことはいっさい隠されたままです。
「花はどこかにいってしまっても、希望の種までは無くなっていないことを信じて」という、著者坂田さんの祈りにも似た信念の言葉に心を重ね、多くの被害者の方々の救済に向けて、遅すぎた取組みでも、小さな力でも合わせたい、と心に刻みこまれました。
チーズはどこへ消えた?
~異質な体裁をとったビジネス書だ。哲学的な内容を想像したのだが、見事に裏切られた。自己啓発的な面も確かに持っているが、タイトルの魅力に中身がついていっていない。近年はとくに、タイトルや装丁が、本の売り上げに強く影響しているように感じられる。デザインやイメージの重要性に対する意識が低かった日本においては、良い傾向とも言えるが、ぜひ内容~~もそれに見あったものであってほしい。~
ブラザーズ・フォア ベスト・オブ・ベスト
既に『グレイテスト・ヒッツ』のアルバムを持っていて、このCD『ベスト・オブ・ベスト』に収録されている曲は全部そちらに入っているので本当は買う必要のないアルバムだったのですが、1年ほど前にCDショップの廉価盤コーナーでこのアルバムに出会ってしまい迷った挙句、結局これも買ってしまいました! 理由はただ一つ、オリジナル・メンバーの最も輝いていた時の4人の爽やかなジャケ写真が気に入って、是非とも持っていたかったから。 スター・ボックス・シリーズのジャケットと全く同じ写真みたいだけど、あちらは味気ない茶色+白だったし…。 でも、買って良かったと思っています。 このCDのほうは初心者向けなのか?解説が分かりやすく、各メンバーの名前も書かれていて有り難かったです。 ちなみに、私が持っているCBS・ソニー時代のLP『モア・ビッグ・フォーク・ヒット/ブラザース・フォア』(SONP-50322)にも特には記載されていませんでした。 時々ありますよね! この曲歌っている人何ていう名前だったかなあ?ってこと。 収録曲数が少ないので星四つにしましたが、“そう言えばこんなグループもいたなあ…、1枚買ってみようかな?”って感じの方にはお手頃価格だし、いいんじゃないでしょうか。
花はどこへいった ベトナム戦争のことを知っていますか[DVD]
物事の本質を見えないようしてしまう社会。そんな中、この作品は、物事の本質を追及した素晴らしい作品。作品と言うよりは、心の叫び。また、特典映像のグレッグデイビスさんのメッセージが素晴らしい!!1人でも多くの方に見てもらいたい作品です。
ベスト・オブP.P&M
日本のフォークは、ピーター・ポール&マリーのカバーからスタートした、と言っても間違いではないと思います。「パフ」なんかは、アマチュアのフォーク・ソンググループの定番曲だったと言えるでしょう。みんな、コピーしようと努力しましたが、このステキなハーモニーはなかなか産み出せなかったと思いますよ。アメリカン・フォーク・ミュージックの最高峰ですよね。とても上質のハーモニーは、思い出と共に色あせないものになっています。
個人的には、「悲しみのジェット・プレーン」が大好きです。1969年に全米で第1位になった曲です。リアルタイムに深夜放送で聴いていた曲なので、今でも気にいっています。もともとジョン・デンバーの曲だったそうですが、PPMの歌声だからヒットしたと思います。
最愛の恋人と別れを惜しみながら、ジェット機に乗って飛び立っていくという歌です。1969年当時、ジェット機は軍用機しかなかったそうですね。当時の社会情勢をご存知の方はその時代背景が良くわかると思います。アメリカの多くの若者がベトナムに連れていかれました。
すなわち、ベトナム戦争真っ只中の「反戦歌」の意味合いが含まれていたこともあり、若者の支持を集めたのでしょうね。ちょうど日本では大学紛争が激化した頃です。
男女三人のハーモニーとギターで奏でられるサウンドは、「フォーク」という一大音楽ジャンルに燦然と輝きを持って今も存在しています。エバーグリーンミュージックと言えましょう。マリーさんは来年70歳になります。