本日開店―高円寺純情商店街 (新潮文庫)
ノンビリ気分の商店街の皆さんも大型スーパー進出話に一致団結! 前作の『高円寺純情商店街』に引き続き作者のねじめさんの人間描写の表現力に感心させられます。そこらじゅうにいるような本当に『普通』の人達の日常を面白く的確に文章で表現できるのねじめさんならではです。『そうそう、こういう場面あるある。』とか『わかる、わかるこの気持ち!』とか同感する場面が多数ありますよ。たくさん出てくるどの登場人物も憎めず愛らしく(?)個性的に感じます。それは作者の人間への暖かいまなざしがあるからでしょう。ストーリーとしては日常に体験しそうなちょっとした出来事の数々なんですが、これが面白い!
この作品を読むと単純に『人っていいなぁ。』と思います。それに絶対どこかの商店街にぶらっと行きたくなります。ほのぼの出来る作品です。
高円寺純情商店街・哀惜篇
今はこんな変な人いなくなったよね。
愛惜篇では、そんな変な人が続々登場する。
棚橋挑太郎、乞食のような天災俳人。この人が今回のメインゲスト。
ヤクザが出てきたり、弱いものをいじめをする不良、妙に正義感の強い娘さんなどなど。
これらの変な人が街を形づくっている。人間模様。
いやいやこれらの変な人は形を変えて今でもあちこちに潜んでいるに違いない。
高円寺純情商店街 (新潮文庫)
古い時代の商店街を舞台に、乾物屋一家のありふれた日常を描いた作品。
雰囲気があって、乾物屋の苦労もよく判るし、
ストーリーを作りすぎていないから自然体を感じられる。
少年が主人公なのだが、もう少し大人への憧れや子供ならではの哀愁が漂っていれば良かった。
向田邦子作のホームドラマレベルを期待すると、ちょっと肩すかしを食らうかも。