The Complete Recordings
恥ずかしながら、Fela Kutiやアフロ・ビート周辺にドップリ漬かってきた訳ではございません。有名なZombieあたりは聴いていましたが、そこから踏み込む事はありませんでした。
しかし今回のボックスセットはそのボリューム(CD26枚、DVD1枚)と値段(1万円強、アルバム1枚あたりだと400〜500円?)があまりにも魅力的なので、ついつい手を出してしまいました。
形式としてはディスクがそれぞれ紙のケースに入っていて、それが27枚平積み?されているような状態です。紙ケースは割としっかりしており、安っぽさは全く感じません。2 in 1形式のアルバムだと、表と裏がそれぞれ別のジャケットだったりします。ブックレットも4部入っています(当然全て英語です)。
聴き比べをしていないのでリマスター音質についてのコメントは差し控えますが、個人的には1970年前後の古いアルバムにおいても非常に1音1音が(管楽器もギターもパーカッションも)クリアだと感じます。
音楽については今さら私が語るまでもありませんが、率直なところ今まであまり聴き込んでこなかった事を悔やむような素晴らしさです。
こうやって大量のアルバムを一度に手に入れると、どうしても「殆どは聴かなくなるんじゃないか?」と思ってしまうのですが、このボックスに関してはスンナリ次へ次へ手が伸びます。
実はそれぞれのアルバムは必ずしも時系列に沿って並べられていないのですが(2 in 1形式が多いため、収録時間の都合と思われます)、通して聴くと1つの大きな流れを感じてしまうから不思議です。
1枚あたりの値段やクオリティを考えても、間違いなく「買い」の1品だと言えます。
迷っている方、是非。
武器なき祈り―フェラ・クティ、アフロ・ビートという名の闘い
深遠で軽快、緻密で粗雑、大仕掛けで子供騙し、この本自体がヨルバ的。
「真偽」だなどとヤボ言わず、この巫女さんを媒介に、フェラの声を聞きましょう。
MUSIC MAGAZINE増刊 クロス・レヴュー 1981-1989
中村とうようがパブリックエナミーに0点をつけて物議を醸したり、(後日ミュージックマガジン誌上でなんとチャックDと中村とうようの対談が行われた)、ムーンライダーズへのレヴューを巡ってひと悶着あったり(その顛末は鈴木慶一によって本書に記されている)懐かしい限りだが、そうした論争が音楽誌によって展開された頃と、ネットとダウンロードに蹂躙された現在との対比に、紙媒体の時代の終焉を感じて寂寞の念を抱くのは筆者だけであろうか。
そして先だっての今野雄二氏の痛ましい死の後に本書を読むと、氏がいかに自己の感性と美意識に忠実であったかを改めて痛切に感じる。過剰なマーケティングの時代にディレッタントの居場所はもうなかったのか・・・。
フェラ・イン・コンサート [DVD]
Fela Kutiの凄みのある顔でバックメンバーに指示を出しながらサックス、オルガンを弾きまくる。一見の価値があります。もっとたっぷり見たい。フルコンサートのDVDを出してください。