親愛なる者へ
野沢尚さんのファンでした。
「親愛なる者へ」は柳葉敏郎、浅野裕子さん主演のドラマでしたが、
これはそのシナリオとなっています。
中には凪子、望の写真なども入っていますので
当時このドラマを見ていた方はとても懐かしく感じられるのでは
ないでしょうか?
「夫婦の恋愛とは?」また「夫婦に恋愛は必要なのか?」
をテーマにした作品。
野沢さんはこのような夫婦をテーマにした作品をいくつか
残されましたが、自分はこの作品が一番好きでした。
ラストシーンは本当に素敵でした。
野沢さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。
親愛なる者へ
わたしは、個人的にこのくらいの時期から『寒水魚』を頂点とする時期に至るくらいまでのみゆきさんが一番好きですし、きっとそうした人は多いことだろうと思います。
世の中に楽しいことだけなら、いいんだろうけど、そうしたものではなく、また、やっぱり楽しいだけの世の中なんてどこかヘンテコなような気もします。ちょっと沈んだとき、内省したいとき、世の中と自分との間に違和感を感じたときなど、みゆきさんの詩、旋律、声には妙に力強さを感じます。単純に元気になるというんじゃなく、一旦深いところに沈んでいた複雑な思いが再び浮かび上がってくるような、生きる力をもらいます。実際に人の思いの中からしか生まれない芸術というのがあり、そうしたスピリチュアルな側面というのは、けして捨てたものではないのです。普通に聴いてもいいですが、疲れているときにみゆきさんを聴くとすっかり親和してしますのです。
歌詞として書かれている以上、詩として読むと甘さや、大時代的な芝居がかりを感じたりもすることもあるのですが、いくつかは間違いなく現代詩としても優れていますし、それが実際みゆきさんの声で歌われると、実に戦慄的です。
このアルバム中、一番のお勧めはやはり『狼になりたい』でしょう。緩急自在に操られる言葉の魔法に粟立つほどの凄みを感じます。また、現在の日本の一部のクラシックや、ジャズ系を除いたいわゆるポップス、歌謡曲といった音楽シーンにまったく親和できないわたしとしては、このアルバムくらい(これもいわゆるポップスとしてつくってるんじゃないだろうけど)の音づくりが調度いいし、たぶんきっとみゆきさんにもっともあうのは、こうした音世界です。今でも、みゆきさんの音はこの頃からさほど変わってるとは思いませんが、それで正解だと思います。
親愛なる者へ(紙ジャケット仕様)
単なる、「ふられ歌」と言う作風から、「タクシードライバー」や、「狼になりたい」、「親愛なる者へ」と社会派的作品へと転換をしていった頃の中島みゆきのアルバムです。
彼女の持ち味である、心をそのまま切り取った詩と、心の中で繰り返し口ずさみたくなるメロディーが綺麗に融合しています。30年以上経った今聞いても新鮮に聞こえるのは、彼女の才能が当時から突出しているからだと勝手に理解しています。
ブランキージェットシティ ギター弾き語り全曲集 (All about)
ブランキージェットシティーが残した全曲(インスト曲は除く)114曲のギター譜集。かなりお得感があるが、TAB譜は付いていないので、TAB譜が必要な人には向かない。