辰巳ワイナリー
純粋に“ワインが好き”という人にはお薦めの一冊です。
毎週土曜日22:00からBSフジで放送している『辰巳琢郎のワイン番組』の書籍化。
この番組の初回からのファンとして、早速手にしてみました。
毎回意外な顔ぶれの男女1組のゲストを迎えてのトークは、
その職業によってはかなりマニアックな回もあり
それぞれに興味深いのですが、この本ではそのエッセンスが
上手くコンパクトにまとめられています。
ゲストによっては途中かなり酔いがまわってしまうなど、
普段とは違った一面をみせてくれたり、普段ならあまりTVでは話さないような内容の
話題をふりまいてくれたりと、アクシデントも粋な味付けになっています。
関心に値するのは、よくありがちで誰もが耳に馴染み深い
ワイン大国の名醸ワインに限らず、我々日本の地味なワインや
レアなぶどう品種で造られたワインなど紹介してくれるところです。
また、デイリーワインとして味わえる比較的お手頃価格のワインを中心に
紹介してくれるところにも、この番組・辰巳氏・本の良心を感じます。
ワインにまつわる素敵なエピソードがどの回も満載で、毎日少しずつ読めますし、
後半のワイン一覧は、単調な日々に様々なワインで刺激を与えてくれる
きっかけになる素敵な存在の本であるという印象でした。
番組でも紹介した日本の多くのワイナリーも掲載されていますので、
老後にでもこの本を片手に全国行脚も出来そう!?
道草のすすめ (角川oneテーマ21 (B-111))
「道草しないで早く帰るのよ」これが一般の母親的処世訓。
「道草は知識欲」「自分の気持ちが明日への扉」になっていて、前向きなのだ。
専門外の達人との出会いは、もつたいないほどすばらしい道草。10人との出会いがいい。
役者は何でもできなければならない。それで、見よう見まねで、挑戦してみる分野とそのお師匠さんは次のかたがた。対話形式の記述が生き生きとしている。
例えば、「書道」で…辰巳「えッ?まだ何も教わっていませんが、もう書いていいのですか?」矢萩「ええ。その方が辰巳さんの癖とか線質がわかりますので…」
「競技かるた」の渡辺令恵さん。「書道」の矢萩春恵さん。「浪速料理」の上野修三さん。「加賀水引」の津田千枝さん。「やきもの」の大年雄さん。「いけばな」の宇田川理翁さん。「あめ細工」の青木喜さん。「浮世絵版画」の長尾直太郎さん。「狂言」の野村万之丞さん。手ほどを受けた「流鏑馬」の小笠原清忠さん。
道草を大切にする、ゆとりある役者辰巳琢郎が生き生きと自己表現できていて、その人間的魅力どおり、魅力ある道草〈俳号〉本となっている。爽快なエッセイである。
【東宝特撮Blu-rayセレクション】ゴジラvsデストロイア
先ほど鑑賞しましたので、思ったことを書ければと思います。私はゴジラシリーズが好きで、特にvsデストロイアは大好きでした。
【映像】
怪獣のシーンは全体的に色彩が美しく、特に熱線の描写はクリア。人間の描写はかなり暗めな上、肌の赤色が強調されています。鮮明ではあるが、根本的に綺麗に生まれ変わっている訳ではないので注意が必要です。画面ブレは無く非常に観やすいです。
【音響】
環境音が著しくリデュースされ、台詞が鮮明になった印象。例えば怪獣が町を襲うシーンなどの民衆の悲鳴は全体的にボリュームが小さめで、メインキャストのセリフは周りの音より浮き上がって聞こえます。若干物足りない感じ。効果音や怪獣の鳴き声は大きめで聞きとりやすい。
【音楽】
全体的に音が大きい。個人的には、怪獣映画はブラスがシーンを盛り上げる要素として重要と考えているので、ここぞという時に盛り上げるわけでもなくただ大きいままのBGMは若干耳触りでした。
【総評】
まず、映画の内容は別として、怪獣マニアをうならせるような革命的なものはあまり見受けられない。綺麗になっていることは確かだが、音響の面で作品としての均整が取れていないように見える。マニア目線で見て、映画の内容に感動することはあっても、Blu-rayの持つ可能性を信じて買う、というにはいささか力不足である。私は過去に録画したビデオも持っていますが、マニアならどっちも持っておくべきではないかと思います。
しかし、これを1本の作品として見るならば完成度はかなり高いと思います。過去のビデオやDVDソフトを持っていない方、シリーズ入門として購入を考えられている方、この作品は一つの完成形とも言えるものになっていると思います。クオリティに関して言えば、過去のどのソフトにも劣らない出来になっていますし、作品としても非常に楽しめると思います。ただ、入門としては、この作品は一度区切られた作品であるため、1984年版のゴジラから順を追って鑑賞されることをお勧めします。