ドラゴンランス秘史 ドワーフ地底王国の竜
ドラゴンランス戦記2巻で赤竜を率いていた暗黒の僧侶ヴェルミナァルド卿を倒した一行は3巻に入るとカーラスの槌を持ってる状況で話が進んでましたが、今回まさにカーラスの槌奪還の話が語られます。本来ならメインで語られる話が欠落して進んでいた為、気になってた方も多いのでは?と思います。話もワイスとヒックマンですので、違和感無く読めると思います。作者が違うと微妙な違いや言い回しなどが訳にも出てくるので読みにくい場合が多いですけど安心して読めます。また、最近出ていたのはランスのヒーローの子孫たちがメインだったので、久々にランスのヒーローたちの話を堪能できると思います。
この欠落した話を別途語る理由は読んでもらえればわかると思います。よくある後付けで話が書かれてるわけでなく、意図的に削られて後出しになったのも読むとわかると思います。それだけ重要な話が語られてるという事です。なので、このシリーズのファンならぜひ読んでおきたい話になるでしょう。
ドラゴンランスを知らない新規読者には向きません。興味があるようでしたら、ドラゴンランス戦記シリーズを読んでからがよろしいかと思います。戦記シリーズが気に入れば伝説シリーズも気に入るかと思いますし。冊数も多いので新規の人には敷居が高いシリーズではありますが、指輪物語を古典とするなら熟成されたファンタジーとして楽しめると思いますのでぜひ。
ズッコケ三人組の地底王国 (ズッコケ文庫)
ズッコケシリーズも末期になると、弱弱しい話が続くようになる。だが、この巻は生命力に満ち溢れた最後のひと花を咲かせた巻だと思う。エンタメの王道というか、ヒロイックファンタジーのパロディというか、「面白い」とはこういうことだと、堂々と見せてくれる。一部には文学的にどうかという向きもあるだろうし、人物の掘り下げも浅いのではという意見もあるだろう。だが、ズッコケというのは、そもそもそういうものを期待するものではなかった。文学性が加味されていったのは、「バックトゥザフューチャー」あたりからで、それがかえって、シリーズからたくましい生命力を失わせていったのだと思う。
バミューダ・トライアングル(紙ジャケット仕様)
『惑星』に引き続き、トミタサウンドが開花した作品集で、かなり細かいタイトルがつけられていました(以下参照)。
・銀色の光を発しながら下降する丸い宇宙船
・UFO飛来と謎の電波
・強電磁波
・次元の異なった世界
・バミューダの海底に沈む巨大なピラミッドと古代人たち
・蛍光色に光る宇宙服を着たヴィーナス
・UFO再来
・地底王国アガルタで遊ぶ子供たち
・地球という空洞の器
・どろろ
・ヴィーナスの唄
・バミューダの夜明け
・謎の電波
・コンピューター・データー信号
・シベリアのツングースに激突したことのある
・まばゆく光る円筒形の物体
・古代人の奏するハープ
・そして ヴィーナスと宇宙の子供たちの未来への唄
・牛飼い座1448星雲団への幻想飛行
・UFO去る
・ヴォコーダー
どの部分でどの曲が当てはまるかはレコード、CDを通してもわかりませんが、当時コンピュータの信号が組み込まれていたり(PCのモニター上に「あなたはUFOに連れ去られました」というメッセージが出るらしい)、かなり前衛的な試みがなされています。氏のUFO趣味(選曲もそれに適った)が前面に押し出され楽しむ事ができます。また、CD化に際して採用されませんでしたが、アナログ盤では裏のジャケットに映る冨田氏が内側では後姿になっている、など遊び心満載のアルバムでした(このアルバムはアナログで持っていたい!けれど音楽を楽しむならばCDで一気に聴き通したいところです)。
冨田勲の世界~オリジナル紙ジャケットBOX(紙ジャケット仕様)
富田勲氏はオリジナルの音楽とは別にクラシックをシンセサイザーで富田流にアレンジしたシリーズが有名。クラシックファンは完成された曲をいじられることに抵抗があるだろうが、電子音楽になることによって曲を別の側面から鑑賞し、新たな魅力を感じられるようになると思う。ベスト版は秀曲揃いだが、注目すべきは2曲目のホイッスルトレインだろう。これはアルバム「ドーンコーラス」に収められていたタイトルだが、機械的に作った音ではなく星から発せられる電波を変換した音源だけを素材にしている。その為、従来の電子音には不思議な音色が堪能できる。ドーンコーラスが廃盤になっているので、このアルバムは貴重な一枚であろう。