査察機長 (新潮文庫)
内田幹樹さんの本は「機長からアナウンス」が最初で楽しく読ませていただきました。
この「査察機長」は3冊目になりますが、毎回リアルで引き込まれます。今回は新米キャプテンが成田ーNY間の乗務で審査を受ける過程が、描かれています。一度手にしたライセンスは永遠では無い!
と、いう業務はパイロットだけでしょう。もしかして、この主人公は
若き日の著者・・?自分も、この飛行機に乗り込んだ乗客として到着地までのフライトを楽しみました。
機長からアナウンス第2便 (新潮文庫)
「飲みながらオフレコで話しているバカ話」を本にした第1作に続く「第2便」。今回のほうが、セキュリティや空港や航空業界がどうあるべきかというような硬い話の比率がやや高い。
そのため、著者の「何も調べずに、持っている知識だけで書く」傾向が強く出ている。たとえばパイロットの給与に関してはこんなくだりがある。「細かい数字は忘れたが、JAL・JAS統合発表時にも言われていたし、業界の乗員組合のホームページをアクセスしてもわかるだろう。」。読者としては、「自分の主張なのに、根拠数値ぐらい調べてからかけば?」と思ってしまう。まあ、軽い読み物なので、目くじらを立てることもないけれど、知識を深めたいと思っていたり、「へえ~」と関心するような話を求める読者にとっては期待はずれの本だと思う。ほどほどに楽しめる、時間つぶしの軽い本です。
機長からアナウンス (新潮文庫)
元ANAの機長が書いたエッセイ。航空業界に興味がある人には
それなりに面白く読めるだろう。しかし、書き込みが浅く、ただの
内輪話のようになってしまった部分もあり、若干物足りなさを感
じた。
それに、エッセイに自作の小説を挿入するという手法はいかがな
ものだろうか。本末転倒という気がする。まあ、それだけ内田氏
の小説にはリアリティーがあると言う事なのだが。