時計じかけのオレンジ / フィルムレビュー [ポスター]
公開当時、「30年後を見通した作品」と言われた傑作。まさに!
いわゆるディストピアものの中では、「未来世紀ブラジル」と並んで
好きな作品です。内容は不快ですけど・・・。
アレックスの憎々しく、それでいて知性的な面構え。コワイねぇ。
1984年 (ハヤカワ文庫 NV 8)
今流行の国際関係学を学ぼうと思っている方には
とりあえず読んでみてほしいものでしょう。
今を支配してしまえば、未来はもちろん
過去すらも思い通りにしてしまえる。
この描写にはぞっとします。
全く姿の見えない為政者に、世界がいつの間にか動かされている。
そこには個人という存在はなく、ただの機械の部品。
いつの間にか人は現れ、また消えていく。
空虚な世界観をひしひしと感じます。
未来世紀ブラジル スペシャルエディション [DVD]
テリー・ギリアムの最高傑作!「ホーリー・グレイル」で効果音を出しながら歩く
アーサー王の従卒をやった人間と本当に同一人物なのか?
ダークにして華麗、リリカルにして残酷、アートでありエンターテーメントであり
コメディでありホラー。
気合のはいった仕事っぷりでは他の追随を許さないクライテリオン版は、
テリー・ギリアムが最後まで拒んだ「ハッピーエンド」バージョンまで
(おそらくあてつけのためだけに)収録、画質も完璧、リージョンコードも
フリーといいこと尽くめだったが、当然日本語字幕は入っていませんでした。
最近では「天井桟敷の人々」や「ビースティーボーイズのビデオクリップ集」など
クライテリオンマスター使用のDVDもあるので、本作も是非その方向での発売を望みます!!!
未来世紀ブラジル オリジナル・サウンドトラック
#BGM的に聴くには収録時間が短いのでは?と思います。
サントラで聴くとその曲が使われていたシーンを強烈に思い出します。
音質はビデオよりいいと思いますので、お勧めのCDです。
#安いですし。
邦題の「未来世紀~」の未来世紀ってのはダサいと思ってるのは私だけでしょうか?
ただの「ブラジル」の方がいろんな人に見てもらえるような気がします。
映画製作時の顛末記が出版されています。
#いろいろごたごたがあったんですね。
興味のある方はこちらも読んでみてください。
「バトル・オブ・ブラジル」(日本語版)です。
では、
〈映画の見方〉がわかる本80年代アメリカ映画カルトムービー篇 ブレードランナーの未来世紀 (映画秘宝コレクション)
「ファビュラス・バーカー・ボーイズの映画欠席裁判」等で映画に関する博覧強記ぶりを見せてくれた著者の最新刊。
70年代、アメリカ映画はひりつくような現実世界を観客にするどく突きつけてみせる表現手段でした。しかし80年代にはレーガン保守政権が登場。それと軌を一にしてハリウッドは無邪気な夢工場へと回帰します。まさにその時代にメインストリームからは弾き出された映画作家たち8人を取り上げ、80年代を象徴するそれぞれの代表作を腑分けし、時代と対峙した彼らの作家性を提示してみせるのが本書です。
取り上げられているのは:
クローネンバーグ「ビデオドローム」
ダンテ「グレムリン」
キャメロン「ターミネーター」
ギリアム「未来世紀ブラジル」
ストーン「プラトーン」
リンチ「ブルーベルベット」
ヴァーホーヴェン「ロボコップ」
スコット「ブレードランナー」
本書「ブレードランナーの未来世紀」は単なる映画感想文集の類いではありません。トリビアの寄せ集めでも、製作秘話集でもありません。監督への直接インタビューによる高い一次情報と豊富な知識に裏打ちされた深い洞察の書といえます。
取り上げられた映画作家たちがつきつけるのは保守時代のうさん臭さです。80年代アメリカを彩るのは敬虔な信仰心、中絶や離婚を受け入れない家族主義、そして反共産主義。これらに基づく時代に敢然と矢を放つ彼らの描く世界は、どれも悪夢と幻想に彩られたものばかり。アウトサイダーとして同時代人に受け入れられることはなかなか叶わない場合も珍しくありません。
私自身20代を無自覚に送ったあの80代。本書が取り上げる映画のいくつかには当時から抑えがたい興奮を覚えたものもあれば、いまもって受け入れがたい気分をぬぐえない作品もあります。しかし本書によってあの時代の一側面を「読み直す」作業は大変有意義で、知的興奮を得られる体験でした。