ピアノの森(17) (モーニングKC)
雨宮の迷いがアダムスキによって吹っ切れる。この場面が秀逸だ。
アダムスキから見れば雨宮の迷いは意固地な思い込みに我を忘れているように思えるのだろう。
逆にそんな大人びたアダムスキも1次審査で落選という予想外の出来事に我を忘れてしまう。
それが雨宮との語らいによって自分を見つめ直す機会になっていく。
この二人のやりとりは丁度ピアノの森の5巻で小学生のカイと誉子のトイレでのやりとりを彷彿させる。
実は一回目に読んだとき、何かこの17巻は説教臭い話が多いと感じた。
アダムスキにせよ、雨宮の父の友人クリスティナの話にせよ、
雨宮の苦闘にやたら解釈を入れて話を重くしているように感じた。
ショパンのピアノ曲解釈もちょっと素人には難しい。
パン・ウェイの出生の秘密もこの巻で明かされるが異様な暗さで読むのが辛くなる。
いずれも話の展開上必要だろうが、こうなると早く開放感のある話が欲しくなる。
次の18巻はいつだろう。待ち遠しい。
くっつきぼし(前編) [DVD]
ぶっちゃけ、声目当てで買いましたが、
個人でここまでのクオリティの動画を作られるのは見事なものだと思います。
(個人的に昔、アニメを自主制作していましたので、大変さはわかります。)
シナリオの方も、前半はゆったりと甘い感じで、後半急展開がおき、
この後どうなってしまうのだろうと言う感じで、今から後半が楽しみです。
百合っぽさも、そういう趣味の人じゃないと受け入れられない…ってほどきついわけではなく、
価格も手ごろですので、少しでも興味があるのでしたら購入して損はないかと思います。
これで商業作品のクオリティーだったら文句無く5つ星ですが、
個人作品とはいえ商業流通させるにはもう少し絵を頑張ってほしいと言うことで星ひとつ減らして4つ星で。
ピアノの森 [スタンダード・エディション] [DVD]
物語の主人公はもちろん海(カイ)なんですが、修平に感情移入するべきなのか、海に感情移入すべきなのか、あえて明確にしていないのがいい。私なんか、修平くんの努力家としての悩み、天才海へ鬱屈した感情、嫉妬を自分自身分かっていながら苦悩する姿、その健気さに感動してしまいました。
何度もテーマとして出てくるのは『自分のピアノを弾く』ということ。
「自分のピアノ」って抽象的すぎて、イマイチよく分かりませんが、これはもう生きることと同義といってもよいのかも? その「自分のピアノ」というものを、視覚的に理解できるようにしたところが、本作の醍醐味ですね。
海が、ショパンやらモーツアルト、ベートーベンの幻覚を見るようになる、というところも、賛否が別れるかもしれないけど、私は好きです。彼らの顔が海の周りの人たちの顔になってたりして、そのベタさ加減がなんともいい感じ。(笑)
ただ、「鉄コン筋クリート」の蒼井優の成功例はありますが、声優としてタレントを使うと、やっぱりどうしてもアニメに入り込めないような気がしますね。
上戸彩とか雨上がり決死隊の宮迫とかのイメージがダブるし、上戸彩は、はっきり言ってあんまり上手くない。修平の声を担当した神木隆之介くんは、まぁ、よかったかなとは思いますがね。
ピアノの森 [プレミアム・エディション(DVD2枚組)]
この映画の最大の魅力は音楽。この点について誰一人異存はないでしょう。アシュケナージさんのピアノは確かに涼やかな森の空気のように澄んでいて、音楽で森林浴ができると思えるほどです。篠原さんは最初からアシュケナージさんのピアノを想定して曲を書いたのでしょうか?何でも原作者はブーニンがお好きらしいですが、仮にブーニンが引き受けてくれたとしても、彼のピアノではあの世界は表現しきれなかったと思います。
物語としては、単に<才能か努力か>というベタな所に落ちることなく、音楽とどう向き合って生きてゆくのか、また自分の中で音楽以外のものとどう折り合ってゆくのかなど、慎重にテーマを選んでいる所がとても良いと感じました。音楽を好きな人はもちろん、何かを目指す人であれば感じるところは多いと思います。
幼い友情が音楽で結ばれてゆくところも感動的です。葛藤があればこそ、それはより強くなるのですね。
二人の少年と絶望から立ち上がった悲運のピアニストが今後どう成長してゆくのか、続きを知りたくなる終わり方も良いです。
続編が作られるなら是非観たいものです。
・・・ところで特典ですが、これが少々期待はずれでした。
アシュケナージさんの録音シーンやインタビューはまあ無理としても、音楽担当の篠原さんのインタビューとか、或いはアニメの製作現場とか、もっと作品に深く踏み込める内容を期待していたので・・・これなら通常版を買えばよかったと思ったので、星ひとつ減らさせていただきます。
ピアノの森(18) (モーニングKC)
ショパンコンクールの第二幕。
本当の意味でピアニストとなれた雨宮の覚醒。
それをどう見るべきか困惑する雨宮父。
次はとうとうカイの出番です。
・・・次はいつかな〜。半年後にはならないで欲しい。
それにしても、医者関係がカイにあいに来る+公園で休んでいるカイの近くに登場するハチ?ハエ?
・・・詳しくは言わんが、ありきたりな構成にだけはしないで欲しいと実に思う。