筒井漫画涜本ふたたび
様々な漫画家が独自の解釈で筒井作品を漫画化
原作と見比べると面白いです。
内容はシュールなもの多し 自分は何も知らず
自分は「時をかける少女」の延長で原作を知らずに購入
・・・かな〜りシュールでビックリしました。
砂漠に吹く風(1) (ソノラマコミック文庫)
鬼才明智抄が壮大なスケールで描く本格SFです。
近未来のテクノロジーで誕生した天才科学者のクローン人間、しかしクローン達は成長後なぜか自殺してしまう。その原因がクローン達が持つトラウマであることが徐々に明かされていき、個性豊かな登場人物たちを巻き込みながら物語は展開していきます。
と、簡単に書いてしまうとこんな荒筋になってしまうのですが実際は書きつくせないほどの奥の深い内容となっています。
本作品は絶版となった「サンプルキディ」の後を引き継ぎ、これまた絶版となった「死神の惑星」に続くストーリです。魂の片割れを永遠の時の流れの中で探し続ける少女、完璧な天才の姿に引け目を感じながら苦しむクローン、軍事利用される超能力者の心の葛藤、誰もがいつか帰る
魂の故郷「紫の海」など、奇想天外な発想と練り上げられた登場人物たちの背景などで圧倒的な奥行きと独特な世界を形作っています。
残念ながら連載誌がこのSFを十分に理解する読者を対象にしていないことや、掲載されていた雑誌が廃刊になるなどで恵まれず、あまり話題になっていませんが、この作者の思想やストーリーに共鳴するコアなファンは多く、本作品も実は一度絶版となったのですが、強い復刊の要求が実ってようやく日の目をみるようになったものです。
独特な絵柄ははじめ入りにくいものがあるかもしれませんが、ある種の天才が描くこの本格SFは絶対のお勧めです(というか早く買っとかないとまた絶版になるかも 笑)。
死神の惑星(1) (ソノラマコミック文庫)
SFの魅力の一つは「センス・オブ・ワンダー」である。この作品ではまさにそうした物語が楽しめる。
特にフタバとカズハの物語は秀逸である。彼らは接触型テレパシスト(接触によって相手の思考を読み取る)である。まだフタバがカズハ(同じ遺伝子を持つ)の存在を知らない時、アリスという非接触型テレパシストによって埋め込まれたある「想い」に、彼らがどう影響されていくかの過程が、論理的にも筋が通っていて素晴らしい。
また、そうしたSF的おもしろさに加えて、感情的な表現も良い。ネガティブな思考にさらされ続けたアリスが、フタバに「想い」を読まれないようにフタバを拒むしかないという所はとても印象的である。
少女漫画でSFは流行らないという時代だが、極めてSF的質の高い作品。