政治とカネ―海部俊樹回顧録 (新潮新書)
政治家の回顧録としてはあまりにも中身が薄い。
しかしながら,思いのたけを飾り気なく語っているところは,やはり師の三木元首相譲りか。
失礼ながら,今まで海部さんに対しては,「時の権力にコロコロ寝返る節操のない政治家」という良くない印象を抱いていたが,竹下派の傀儡であることを百も承知で,それでも国家と自民党のために恥を忍んで総理になり,世界の激動期に政権を任された孤独と苦悩が率直に書かれており,この人を再評価することができた。
小沢さんには何度も煮え湯を飲まされて,さぞや悔しい思いをしたのだろう。海部さんの小沢評は非常に的を得たものであり,その小沢さんが,でんと真ん中に座っている民主党政権が続く限り,政界の浄化は期待できそうにない。
ひょっとすると,もっともっと言いたいこと,国民に伝えたいことがあったのではないか。しかし,他人を批判するだけでは一国の総理だった者として恥ずかしい,そんな思いが200ページにも満たぬ小さな回顧録となったのではないだろうか。
ともあれ,海部俊樹という一人の政治家を見つめ直すことができた。
海部さん,長い間,お疲れ様でした。
上杉隆の40字で答えなさい 〜きわめて非教科書的な「政治と社会の教科書」〜
上杉版の池上彰モノなんだなぁというのが感想です。
書いてある内容は作者のこれまでの著書や記事を読んでいるものには、それこそ40字に無理やりまとめたものにしか思えません。
高座の落語や舞台の漫才を見ている者が、30秒でワンフレーズ叫ぶだけのテレビのお笑いをベツモノと思うのと同様に、物書きがツイッター的な短文を書いたものを、彼の本来の著作と同じレベルとはフツーは思わないと思うのですけどね。
ただ、上杉隆を知らない人には、彼の40字でも伝わる鋭さに興味を持つでしょうし、なんとなく目から鱗になるかもしれないですね。
その上、日本の政治やマスコミについて真っ当に書かれた本を読んだことのない人なら、なおさら新鮮かもしれませんね。
作者の作者たるところの、リアリティのある内情暴露や関係者談がほとんどないので、事実か作者個人の思いかが判然としない部分(例えば、小沢一郎に関するくだり)を、アヒルの刷り込みのように真に受けてしまう人がいるのではと余計なお世話で心配にもなります。
それにしても、機密費とマスコミの関係を書いて以来、命の心配を自らもそして周囲も本気で心配していたのと、このお気楽な作品を見ると、ひょっとして上杉さん何かあったんじゃない?とヘンに勘繰りたくもなります。
あと、残念な人だなぁと思ったのは、やたらとアメリカでは!になっていること。なんかバレてない頃(何が?頭の上?頭の中?)の落合信彦先生のようでした。誰も読んでないと思って、欧米ではなんて言っていると返ってお里が知れて、タカトシにどつかれるだろうに、かなり残念。まぁ、そういう吹かしが好きな人にもおススメかも。
最後に、フランスだったかな?のコラムニストの箴言「一文で皆を納得させられるものが百とあるとしたら、その九十九には中身がなく、残り一つのみが名文。一文に納得する者が百人いるなら、その九十九人は洞察力がなく、残り一人のみが賢者。」
私は、この作品にこれ以上の☆を付ける気にならないので、九十九人の方ですかね。
小鳥と柴犬と小沢イチローと ー日本を面白くしてしまった政治家47人の罪と罰
政治の本というとは、天下国家を語るもの。そういう常識を上杉隆は飛び越えた気がします。
考えてみると政治家って実はアイドルと同じ人気稼業。ところが普段のニュースではその政治家の人となりなんてのは全く伝わってきません。アイドルや歌手が歌番組でどんなに活躍してもわかるのは歌唱力だけ。彼らがトーク番組に出演した時に「あれっ? お高くとまっているのかと思いきや意外に面白いヤツじゃん」などと感じるあの瞬間を思い出して下さい。
上杉隆の『小鳥と柴犬と小沢イチローと』はそいういう本です。47人の政治家について上杉隆が日々付き合った感想を独特のゆるい文体で描き出すものになっています。
ここしばらく上杉氏の興味は小沢一郎に対する大手マスコミからの総攻撃を批判することにあったようなので、タイトルにも小沢氏の名前が入っていますが、別に一冊まるまる小沢論みたいなものではなく、むしろ『日本を面白くしてしまった政治家47人の罪と罰』というサブタイトルの方がよく本の内容を表しています。ですからどちらかというとこのサブタイトルが刺さった方に強くお勧めしたいと思います。
大真面目に天下国家を論じる本が読みたいのならこの本はちょっと違うかもしれませんが、逆に政治家の素顔が垣間見られる本なんてのは空前絶後なのではないでしょうか(たぶん)。政策や発言がどんな人格を背景になされているかというのは、結構重要なポイントであるようにボクは思います。そういう意味ではこの本は得難い一冊です。
あ、ちなみに読むなら早い方が良いと思います。基本的には生ものです。2010年という今読んでおく(まあ年が明けたらダメというものでもないですが)方が美味しく召し上がれると思うのです。
おちまさとプロデュース 小沢一郎総理(仮)への50の質問 [DVD]
おちまさとさんの本の割には突っ込みが甘い感じがしました。結局は最後の質問をしたいがために、今までの質問があったのか、という気がしました。ただ、小沢一郎の人柄がよく分かり、選挙、ひいては将来の政治を考える礎になると思います。社長のインタビューの方が面白い気がしました。
政権交代 鳩ちゃん根付ストラップ(一郎くん)
近年最凶の大逆政治家の根付ストラップ
目元あたりは良く似ていると思う・・・お友達になりたくない顔だ・・・。
コメントを「・・・・」にしたのもグッドである。
鳩山より色々と使い勝手はあると思います。
良く似ているので、呪術につかうとかw
是非お縄一郎くんを祈願しませう!!
あとは煮るなり焼くなりしてみませう。